投資と金融がわかりたい人のための ファイナンス理論入門 プライシング・ポートフォリオ・リスク管理
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冨島佑允
1982年福岡生まれ。外資系生命保険会社の運用部門に勤務。 京都大学理学部・東京大学大学院理学系研究科卒(素粒子物理学専攻)。大学院時代は世界最大の素粒子実験プロジェクトの研究員として活躍。その後メガバンクにクオンツ(金融工学を駆使する専門職)として採用され、信用デリバティブや日本国債・日本株の運用を担当し、ニューヨークでヘッジファンドのマネージャーを経験。2016年に転職し、現職では10兆円を超える資産の運用に携わる。欧米文化に親しんだ国際的な金融マンであると同時に、科学や哲学における最先端の動向にも精通している。 2018
はじめに
本書で取り扱っているのは、主に資産運用に係わる理論です。 コーポレートファイナンスの話も第1章-5で少し出てきますが、 それ以外は全て資産運用に係わる話題を扱っています。 本書を読むことのメリット
本書の構成
資産運用を行う上では、 ① なるべく割安な価格で買うために、投資対象の割安・割高を判断する基準が必要になります。 また、 ② 世の中にある色々な投資対象のうち、 どの投資対象にいくら投資すべきかを決めなければなりません。 そして、運用を開始した後は、日々の価格変動によって損益が出ます。そうやって価値がブレるのはやむを得ませんが、 ③ あまりに大きな損を出して破産してしまうのは避けなければなりません。
ファイナンス理論では、 資産運用における ①・②・③の課題を、以下の3つの理論で取り扱っています。
第1章 プライシング理論 “本来の価値” をどうやって求めるか?
1 株・債券、不動産、 プロジェクト、 企業・・・全て同じ考え方で価値を求められる
2 全てを 「お金の流れ (キャッシュフロー)」として捉える 012
3 キャッシュフローに 「値段」 を付ける
4 将来キャッシュフローの 「値段」 はどうやって決めるのか 017
5 いろいろな資産の “本来の価値” を求めてみる
51 債券
52 株式
53 不動産
54 企業
55 プロジェクト
6 将来キャッシュフローが状況によって変化する場合
7 将来キャッシュフローの推定自体がそもそも難しい場合
8 まとめ
第2章 ポートフォリオ理論 どの資産にどれだけ投資すればよいか?
1 資産の組み合わせを合理的に決める
ポートフォリオ理論の土台は「資本資産価格モデル (CAPM)」
2② CAPM理論の要点
23 CAPMの視覚的イメージ
①ポートフォリオをリスク・リターン平面上の点として捉える
③ リスク性資産のポートフォリオと無リスク資産を組み合わせる
⑤ CAPMが世界に与えた影響
3 CAPMの先へ
13 1 マルチファクターモデル
① マルチファクターモデルの理論的土台であるAPTについて
32 最小分散ポートフォリオ
33 リスク・パリティとリスク・バジェッティング
34 インデックス運用とアクティブ運用
4 まとめ ポートフォリオ理論を学ぶことの意義
第3章 リスク管理 適切なリスクとは? 致命的な損失を避けるには?
1 リスクとは何か
2 市場リスクの捉え方
31 VaRとは何か
32 ヒストリカルVaRとモンテカルロVaR
33 VaRをどのように使うか
34 VaRの利点と限界
4 テールリスク管理
41 ファットテール
42 ストレステストで緊急事態に備える
43 信用リスクについて
5 まとめ
第4章 統計分析 自分で分析する方法を身につける
1 まずは、 データに問題がないかを確認する
2 統計分析の実際
① リターン
② 標準偏差
③ 相関
4 VaR
3 計算した数値を使って、最小分散ポートフォリオを作ってみる
5 まとめ
おわりに